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まるで「みにくいあひるのこ」のようでした。 しかしこのチビガラスは「勇敢」でした。 みんなの仲間になるために つきまで飛ぶなんて全くみじめなシーンです。 「いじめ」「なかまはずれ」 チビガラスは自分が置かれてる立場を知っているように見えました。 だから、無理だとわかっていてつきまで飛んだんだと思います。 最後にはみんなにその勇敢さを認められ 一緒に遊ぶようになります。 が、しかし私はこのいじわるな仲間を許せないし チビガラスだって心に負った傷口は一生消えないと思います。 いじめはこんなに簡単に許せる訳がありません。 唯一救いは、いじわるをした側のカラスの心情が 描かれているところです。 これがないと幼児にはキツイ内容だと思います。
投稿日:2010/11/25
体が小さいということでいじめてしまうカラスたち。 そして仲間の言葉を信じて月まで飛ぼうとするチビガラス。 仲間になりたいがために勇気を出して飛んでいくチビですが もう一つの勇気も考えなくてはいけない作品ですよね。 「それは嘘だよ」と一言言ってあげる勇気。 その勇気がなかったために一言言えなかったと後悔するカラス。 チビの銀の羽を見るたびに「チビの勇気」と「勇気がなかったこと」を思い出すんだろうな。 みんなと仲良く過ごすために必要な勇気の形を教えてくれる作品すね。 ぜひ読み聞かせに使いたいと思います。
投稿日:2010/11/27
読んだ後、ずっしりと心に残るものがあります。 体が小さな仲間をばかにして、いじわるで月に行ってこいと言ってしまうわたりがらすたちの話です。ちいさなわたりがらすは本当に飛んで行ってしまい、途中で力つき、死にそうになって戻ってきます。いじめたわたりがらすたちは、小さな仲間の勇気の前に恥じ入り、最後には仲良くなるという展開です。 いじめたうちの一人が年をとってからその時のことを回想する形をとっているのがこの本のポイントではないでしょうか。いじめた側の心境の変化がよく描かれているからです。最初は彼の小さいこと、醜いことを小馬鹿にしていた「わし」たちが、決定的にいじめることになったきっかけは、彼が「うまれつきみがるだったから すぐにとぶのが わしらのむれで いちばんうまくなった」ことでしょう。今まで馬鹿にしていたのに、ふと気付くと抜かれていた・・・こんな時に素直に受け止められない人間の心の醜さがうまく描かれています。そして、誰にでもそんな両方の側面(他の人より少し劣っていること、他の人より秀でていること)がありますから、誰でもターゲットになるのでしょう。 いじめる側がだんだんエスカレートしてきて、後に引けなくなる様子もよく伝わってきます。でも事件後、「おまえをおいはらおうとして、いっただけなんだ。ほんきでつきまでとぶなんて、かんがえもしなかった。ゆるしてくれるかい?」と言えた「わし」は勇気があります。誰でも自分の非を認めるのは好みませんから。月まで飛ぼうとした小さなわたりがらすも勇気がありますが、そうせざるを得ない状況だったわけですから、勇気の種類が違うような気がします。 「くちごもりながら」も上述の謝罪ができた「わし」だからこそ、年をとってからもこのことを良く覚えており、また人に話して聞かせる権利も勇気もあるのでしょう。ちいさなわたりがらすが主人公のようで、やはりこの絵本の本当の主人公は「わし」だと思います。 子供に読んで聞かせるなら、あまり小さなうちではない方が良いように思います。いじめられても、月まで飛ぶ勇気を出せば仲間に入れてもらえると理解するような年齢の子には少し危険なような気がします。事件を通じて「わし」の心の成長を読み取れる年齢になってからの方が良いと思いました。
投稿日:2010/12/07
タイトルの「つきがらす」の意味が分からないまま読んだのですが、 読み終えてやっとその意味を知りました。 見たことがないほど小さく生まれた、わたりがらすの「ちび」。 容姿が小さいというだけで、いじめられるはめに。 小さくて弱々しく感じられたちびでしたが、読み進めるうちに、 なんて大きな心を持ったからすなのだろうと思わずにはいられませんでした。 いじめという境遇の中、それに屈することなく、いつでも本気で 物事に取り組んでいくちびの姿。 「ちびは ほんものの がんばりやの たましいを もっていた」 という一文があるのですが、ちびの頑張りが、いじめていた側の からすの心さえも変えてしまった瞬間だったのだと思います。 ぎんのはねはきっと、ちびの頑張りをみんなが認めた勲章なのかな。 これは、年取ったわたりがらすのうちの1羽が、過去の思い出話の 1つとして語っている内容で構成されているのですが、他のからすが ちびのことをすっかり忘れている、というところから始まるんですよね。 最後まで読み終えてから、この初めのページを読むと、なんだか 無性に腹立たしくもありました。いじめる側って、きっとこんな風に 自分がしたことをすぐに忘れてしまうんでしょうね。 いじめられた側は、きっと一生心に残っているだろうに・・・・ これは、イジメを克服した前向きな一冊と見るか、はたまた、 いじめる側の真理をついた一冊と見るか? きっと読み手次第でいろんな感じ方ができる一冊なんだと思います。 子どもが読んだら、どう感じるのかな? 結構、深いテーマが隠れているように思います。
投稿日:2010/12/11
娘と一緒に読みました。 娘はまだ幼稚園に通っていないので、お友達との関係などを 気にしたことなどなく・・だから聞いていてもよくわからなかった のではないかなあ。もう少し大きな子でないとこの絵本の伝えたい ことはうまく伝わらないかもしれないなと思います。 しかし。 読んでいてつらかったなあ。 だれしも遭遇するかもしれない「いじめ」という問題。 加害者にも被害者にも傍観者(加害者)にもなるかもしれない問題。 そういうものをテーマにした絵本と正面から向き合うにはなかなか エネルギーがいるのだなと思いました。 ちいさなつきがらすが、表面上はものともせず、軽やかに していたのがせめてもの救いです。 へたれな私は、「にじいろのさかな」の方が安心して読める ように思いました。
投稿日:2010/12/08
絵のすてきなこと!! 上手だなぁ からすということで色も少ないのに 個性的なからすが、くっきり、はっきり 構図もすごい 谷川さんの訳ですね!? でも・・・ 内容的には、う〜ん・・・ と、考えてしまいます 身体的なことが皆と違うことによる排他的な行動 人間世界で日常的にあること? 読んで、あなたはどう思う? と、皆でそれぞれの意見を出し合えるような 年齢がいいように思います いろいろな意見を聞いてみたいです
投稿日:2010/12/06
「ダンボ」や「みにくいアヒルの子」のようなお話ですね。 みんなにいじめられていた者が、 思ってもいなかった素晴らしい姿を見せて、 みんなに認められる・みんなを見返す・・・。 でも、いじめる側の心情を描くのは珍しいですよね。 とても興味深く読みました。 チビガラスのつきへ向かった勇気。 言い出せなかった、いじめを止める勇気。 行間を読むべきかもしれませんが、 語り部以外のカラスにも 「いじめたことを謝る勇気」 を見せて欲しかったなぁと思いました。 チビガラスは仲間に認めてもらえるだけで嬉しくて、 許せてしまうのでしょうけれど。 良いお話なのだけれど、何かひっかかってしまう、 この読後感は「にじいろのさかな」のようでした。 マーカス・フィスターさんと私、 相性が悪いのかもしれません;
投稿日:2010/12/01
人間の心に潜む闇の部分というか、そういったものが谷川先生の美しい日本語訳で淡々と語られています。自分よりどこかしら劣っているからと言って仲間内から疎外したりするのはいけないという事が、この絵本を通して子供にも伝わればいい。
投稿日:2017/05/12
「いじめ」をテーマにした絵本で、5歳と4歳の子には難しく、よく分からないことが多かったです。いじわるで「月へ行ったら遊んでやる」と言ったカラスのいやがらせに、「何でうそをつくの?なんでいやな気持にさせたいの?」と質問の嵐。カッと怒って叩いたりすることはあっても、こういう人を陥れようとする悪意は子どもにはないんだな〜。と読みながら思いました。 子どもの絵本に出てくるいじめっこではなく、小中学生の陰湿ないじめを連想させるちょっとイヤないじめっこの絵本でした。
投稿日:2017/03/06
読んでみていじめの話だったので意外でした。 過去形で書かれていて語り口からして、いじめはもう終わっていていじめた側がいじめを悔いているのが読んでいる途中でも分かりました。 …もしかして、このいじめられたちびがらすは死んでる?と思ったところもあったのですがそんなこともなく良かったと安心しました。 仲間に入れてもらいたいという気持ちも強かったのでしょうが、ちびがらすのがんばる姿が見ていてちょっと辛かったです。
投稿日:2015/01/21
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