2013.07.25
その2 ひとつのジオラマを作るのに1か月!
前回につづいて、まだまだ街の「めいろ」を作っています。
くる日もくる日も、ときにはイラストレーターの夫の手も借りながら、ひたすら手を動かしつづけます。
さて、みなさんは、「どこ?」の1枚の写真ができあがるまでに、どのくらい時間がかかっていると思いますか? ラフを描いてから、それを立体のジオラマに作りあげていくのは、気が遠くなるくらい地味でたいへんな作業のくりかえし。ジオラマの内容にもよりますが、約1か月です!
それでも、色がついて街らしくなってくると、気持ちも楽しくなってきて、作業のペースもあがります。
「緑の木をたくさん植えよう」「ここにはオープンカフェを作ろう」「道路には子どもの落書きを」「穴をあけて工事中のところも作っちゃおう」などなど……、自分がこの街の住人になったつもりで物語を考えながら、楽しく作っていきます。
かなり、街ができあがってきました。でも、ここでまた、ひと工夫、ひみつがあるのです。
じつは、建物の手前の側面がよく見えるように、一軒一軒の家を傾けて置いています。厳密にいえば、それぞれの家の、手前の高さを高くして、奥側の高さを低くするのです。そうすることで、玄関や窓が見えてきて、街が活気づきます。ただ、この傾きを大きくしすぎると、道の部分に建物がせりだしてしまって、道がふさがってしまう場合も。「めいろ」ですから、道をちゃんとたどれなくてはなりません。このバランスがなかなか難しい!
さあ、さがしものも配置しなくては。
ところで、これらの写真は、真上から撮ったものですが、撮影の角度をかえてみると、こんなにもちがって見えるという例をお見せします。ちょっと斜め上から撮ると、ちがう街の表情が見えてくると思いませんか?
目線が下がった分、街の空気が感じられて、なかなかよい雰囲気です。ただ、これだと、道路がふさがってしまって、「めいろ」あそびはできないのですよね。
できあがったものをどう撮影するかによっても、ぜんぜんちがう仕上がりになっていくのが、ジオラマ作り・ジオラマ撮影の苦心するところでもあり、おもしろいところでもあります!
さて、やっとひとつ、街のジオラマができあがりましたが、そうそうひと息ついてもいられません。10月の刊行に向けて、またすぐに新しいジオラマをとりかからなくては!
次回は、砂の「めいろ」づくりをお伝えしようと思っています。どうぞお楽しみに!
(山形明美)