白の国に住んでいるしろおうさま。黒いものが大嫌い。 しろおうさまの服もお城も動物たちや空までみんなまっ白です。 あさごはんは、白いミルクに白いパン、おやつにはマシュマロを食べました。
黒の国に住んでいるくろおうさま。白いものが大嫌い。 黒ねこやまっ黒なカラスがたくさんいて、空も野原も、もちろん来ている服もみんなまっ黒です。 あさごはんは、黒いコーヒーに黒いパン、おやつには黒いチョコレートを食べました。
白い国と黒い国の間には、灰色の森が広がっていて、しろおうさまもくろおうさまも、決してその森に入ろうとしませんでした。 しろおうさまとくろおうさまは全然違うようで、とっても似ています。 黒いものが大嫌いだからと、みんな真っ白にしてしまうしろおうさま。 白いものが大嫌いだからと、みんな真っ黒にしてしまうくろおうさま。 だから、嫌いなものに溢れているお互いの国になんて絶対に行かないのです。 でも、もし好きな色やもの、好きなにおいを見つけたら・・・?
そこへやってきたのが、赤、青、黄色、緑、紫、茶色の服を来ている7にんのこびとたちです。彼らの大胆な行動は、やがて白い国と黒い国に大きな変化を生み出していくのです。
時が止まったような世界が、生き生きと動き出す瞬間。 嫌いだと思っていたものが、好きになる瞬間。 見ているだけでドキドキするようなきらめく場面がたくさん詰まっているこの絵本。 子どもたちの色々な感覚を刺激してくれることでしょう。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
しろおうさまは、黒いものが大嫌い。くろおうさまは、白いものが大嫌い。2つのお城の間には、灰色の森が広がっていました。そこへ…。
白の国に住んでいるしろおうさまは、黒いものが大嫌い。黒の国に住んでいるくろおうさまは、白いものが大嫌い。2つのお城の間には、灰色の森が広がっていて、しろおうさまもくろおうさまも、その森に入ろうとしませんでした。
そこへ、赤、青、黄色、緑、紫、茶色の服を着たこびとたちがやってきました。さみしい灰色の森に、色をつけてあげようというのです。
緑のこびとは、カエルやヘビに緑色を。赤のこびとは、リンゴやニワトリのトサカに赤色を。青のこびとは、池や花に青色を。茶色のこびとは、鳥や木に茶色を塗っていきました。そして、とうとう白の国にも黒の国にもやってきて、全てに色をつけてしまいました。自分の国に、色をつけられた、しろおうさまとくろおうさまは怒りますが、森の真ん中で2人が出会うと……!?
静かな灰色の世界が、鮮やかでカラフルな世界へと変化する様子が美しい絵本。子どもの色彩感覚を刺激します。
著者紹介によると、たちもとみちこさんの好きな色は灰色ですって。
だからでしょうか、白黒灰色の世界へのリスペクトを感じます。
白の国のしろおうさま、黒の国のくろおうさまのストーリー。
白はともかく、黒の世界も、なかなかにスタイリッシュでいい感じです。
お互い相手の色は嫌いという事で、両国の間には灰色の森が広がっているのです。
何とも心理的にも絶妙な設定ですね。
そこへやってきたのが7人の色彩の小人たち。
赤、青、黄色、緑、オレンジ、紫、茶色なのですが、
コラージュでしょうか、それぞれ実に独特の風合いの色彩が鮮やかです。
そして、一人ずつ、森に色彩が重ねられていくのですね。
白黒灰色の世界でしたから、それはそれは、視覚的にもインパクトがあります。
色彩があればこそ、果物は美味しく、花は美しく、いい香りも心地よいのですね。
もちろん、その良さを体感した両おうさまも、ね。
色彩をたっぷり楽しむことができそうです。
幼稚園児以上くらいから、色彩の恩恵を体感してほしいです。 (レイラさん 40代・ママ 男の子20歳、男の子18歳)
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