今日はわくわくやまに遠足に行く日。 とびきり楽しい遠足にしようと、みんなで約束していました。 ところが・・・キツネくんは、家にいます。 足をケガしてしまって、遠足に行くことができないのです。
(わくわくやまは、どんなだろう) (みんなは、なにして、あそぶんだろう) (きっと、やすんでいる ぼくのことなんか、わすれちゃうくらいたのしいんだろうな)
子どもたちにとって遠足は、行くずっと前から楽しみにしているイベントです。 キツネくんは、どれほどさびしい気持ちでいることでしょう。
その頃、みんなはわくわくやまへ。空は青く高く、心地よい風が吹き、とっても気持ちが良さそうです。みんなでお弁当を食べたり、きいちごを見つけたり。花輪をつくったり、冷たくておいしいわきみずを飲んでみたり。楽しい時間を過ごしているようです。 でも、その帰り道。 「さようなら」 そう言った後に、みんなが向かったところは?
遠足を楽しんでいる時だって、みんなはキツネくんのことを忘れてなんかいなかったのです。キツネくんにもこの楽しみをわけてあげたい、おんなじ気持です。それぞれが持って帰ってきたおすそわけ。そこには、ともだちを思いやる優しい心がつまっていましたよ。
くすのきしげのりさんの「すこやかな心をはぐくむ絵本」シリーズ、2作目。 いしいつとむさんのにじむようなタッチで描かれた絵は、子どもたちの素朴な表情や、自然の中で遊ぶさわやかな空気を、優しく読者に伝えてくれます。 本に挟みこまれているリーフレットには、作者のことばや読み聞かせのコツ、子どもたちの「こころ」についてのコラムなどが掲載されています。こちらも読みごたえありますよ!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
せっかくの遠足なのに、足をけがして行けなくなったキツネくん。みんなが楽しく過ごしているかと思うとさびしくてたまりません。そのころ、お友だちは……。
休んでいる友だちのために遠足の楽しさをおすそわけしようとする子どもたち。そのすなおな思いやりと自然の中で存分に遊ぶ楽しさを、やさしくにじむようなタッチで描いた絵本。
とびきり楽しい遠足にしようと、みんなで約束したのに、
キツネくんは、足をけがをして、遠足に行くことが出来ません。
わくわくやまでは、みんな楽しそう。
リスくんは、美味しそうなきいちごを見つけたり、
タヌキくんは、おおきな葉っぱを見つけました。
シカくんはとりのはね、サルくんはシカくんのつののような木の枝、
楽しい時間を過ごしているようでしたが・・・
みんな楽しそうにしていたけれど、
実は頭の隅には、キツネくんのことを忘れていなかったのです。
みんなの優しい気持ちに、涙が出てきました。
今まで、楽しそうに遊んでいただけだと思っていたのに、
実はすべての行動は、みんなキツネくんのことを思ってのことだったんだってわかって、
みんなの思いやりに胸があつくなりました。
言葉で言わなくても、みんなはキツネくんの気持ちがわかっていたのですね。
この絵本を、子どもたちに読んであげたいと思います。
そして、このお話を通して、友だちを思いやる優しさを持って欲しいと思いました。
いしいつとむさんの淡く優しい絵が、みんなの優しさに花を添えてくれています。 (多夢さん 50代・ママ 女の子15歳)
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