「今、ここで戦いをやってることは、知ってるわ。でも、なんでやってるのかはわからない。テレビのニュースで、爆弾が商店街やバスの中で爆発したところを見たりするけど、すごくこわくなる」 「三つの願い? 芸術家になりたいし、ダンサーにもなりたい。それから、うんと長生きしたい」
この中東の地でおこった戦争は、あまりにも長いあいだ、いろいろなかたちで続いているので、まるで永久に終わらないかのように感じられることもあります。しかし、戦争というのは、人間のそのほかの行為と同様、一つの選択なのです。人びとがおこなったそんな選択が、どういう影響を子どもたちの生活にあたえているのかを、この本の子どもたちは語っています。
最初にページを開くと、この本が出版されるまでの何年間かのパレスチナとイスラエルの紛争で犠牲になった18歳未満の429名の名簿が書かれています。
本書は著者がパレスチナとイスラエルの子どもたちそれぞれ10人にインタビューしたものを編集して載せてあります。
子どもたちの顔写真を載せて。
ただし、インタビューしたひとりのお姉さんが自爆テロをした一人で、その子はお姉さんが自爆したことで、勝手に写真を使われ、ひどい目にあった経験があるという理由で、写真は載っていませんでした。
子どもたちの目線を通じて、否応なしに考えなくてはいけない社会の在り方と命の大切さを感じました。
どちらの民族も大変なことには違いありませんが、やはり抑圧され、つらい環境を強いられているパレスチナの人たちには、同情せずにはいられませんでした。
この子どもたちが負の連鎖を断ち切って、新たな未来を築いていけるといいなと、心から思いました。
1人1人のインタビューは短くまとめられているので、とても読みやすいです。
同年代の安全な国、日本に住んでいる同年代の子どもたちにもぜひ、知ってもらいたい想いです。
うちの子にも薦めたいけど、どんなきっかけを与えてあげたら読むかなぁ〜?
考え中です。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子15歳)
|