ディスレクシアについて解説した、初めての子ども向け絵本。ディスレクシアのある主人公の少年が、この障害にはどんな特徴があって、どんな大変な思いをして、どんな配慮をしてもらえると嬉しいのかを語る。
これは児童向けの障害を理解するために作られたシリーズの第1巻で、全部で「6巻」出ています。
第1巻は「ディスレクシア」障害についてです。
近年、児童書や子ども向けの絵本にも、障害を取り扱った作品が多く出版されるようになりました。
そこに登場する子どもたちはいろいろな形で「問題」を抱えていますが、読者の子どもたちがその問題を実感として理解するのはなかなか難しいところです。そんな時とふとした疑問に、この作品なら、答えてくれます!
この作品の著者は弁護士ですが、自身の母親が“言語療法士”(正式な資格の名称は“言語聴覚士”言葉などのコミュニケーションや食事に関しての機能障害に対して、訓練や指導を行う専門職)であり、
また、同僚の弁護士に今回この本で扱っているディスレクシア障害を持っていながら大成した友人がいたため、障害のある子どもたちの学習支援を行っている方だそうです。
なので、とても分かりやすく、親しみやすい内容で作られています。
作品のすべてが物語形式で作られているわけではなく、しらべ学習などで利用する時点のような感じで、途中から「Q&A」のコーナーがあったり、この中で使われている用語の解説コーナーがあったりと、読み手の子どもたちの目線に合わせてくれているところに好感が持てます。
最後には訳者からの後書きもついて、訳者自身も障害学習支援を行っている一人であることがわかりました。
日本でも遅まきながらやっといろいろな学習支援活動が形になってきたように思います。
ぜひたくさんの人たちに、手にしてほしいシリーズです。
(てんぐざるさん 40代・ママ 女の子21歳、女の子16歳)
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