春野先生は、三週間だけ、ぼくら三年一組の担任だった。 その三週間は、ぼくにとって、ミラクル(奇跡)だったんだ。
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ぼくらは、一人一人自己紹介をした。 「ぼくの名前は、中田俊輔です。得意なことは、……ありません」 「じゃあ、俊輔くん、今、がんばってることは何かな」 「それもありませーん」 そういって、ぼくは座った。 (こんなふうにいうと、きっと、この先生も怒るんだ。だって、二年生の時、ぼくは、ずっと怒られていたんだから。……先生なんてきらいだ) でも、春野先生はちがった。サッカーが得意で、ピアノがちょっと苦手な先生は、ぼくの「得意なもの」を一緒にさがそうといってくれて……。
できないことばっかりで、先生がきらいだったぼくの毎日が、春野先生の登場で変わりはじめる。読むと学校が好きになるお話。
児童書選びはとても難しいですね。色々と試しているところですが、そんな中でこちらはとてもよかった1冊です。
もともと学校が好きな娘なので、合いそうだなとは思っていたのですが、私の想像以上によかったようで、読み終わった瞬間、「とてもいいお話だった!感動した!」と満面の笑みでした。
もうすぐ2年生になる娘がよみました。中級生向けとなっていますが、字も大きいですし、何より学校がテーマなので、低学年でも読める内容だなと思いました。 (りおらんらんさん 40代・ママ 女の子7歳、男の子4歳)
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