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『ぼくはおこった』できたむらさとしさんがイギリスの新人絵本画家に与えられるマザーグース賞を受賞して以来の名コンビ。ハーウィン・オラム文、きたむらさとしさん絵・訳の組み合わせの絵本。 本書は待望の復刊です。
アレックスはベッドの上で泣いています。「ぼくはキョウリュウがほしい」 犬でもカタツムリでもなくキョウリュウのペットがほしいのです。 いつまでもだだをこねるので、とうとうおじいさんがキョウリュウ・デパートに連れていってくれました。 1階には大人のキョウリュウ、2階には子どものキョウリュウ。そして3階にはキョウリュウを飼うのに必要な品物が並んでいます。
トリケラトプスがいいかな、ファブロサウルスもわるくないな、やっぱりディプロディカスにしようかな。 アレックスが迷っているとマソスポンダラスと目があって、アレックスの手をぺろぺろなめます。 この女の子のキョウリュウに「フレッド」と名前をつけて、家に連れてかえることにしたアレックス。 しかし家は大混乱に陥ります! フレッドったら、何でも食べちゃうし、お風呂はジャングルみたいになるし、部屋はめちゃくちゃだし……。 「なんて げんしてきなの。ほんとに ほんとに、もう うんざり」と泣き出してしまうお母さん。 アレックスはどうするのかな?
キョウリュウを飼うなんて、子どもたちの永遠のあこがれですよね。 もし飼ってみたら……? たしかにこんなトラブルが起こりそう。 「お母さん泣いちゃってる……」と子ども心におもしろいかもしれません。 でもやっぱりぎょろりとした目のフレッドはかわいい! きたむらさとしさんが描くキョウリュウ・デパートもかっこいい! キョウリュウの形をしたガラス張りの建物で中はジャングル。行ってみたくなります。
念願のキョウリュウをペットにして、世話をするアレックス。 しかし後半フレッドは元気がなくなっていきます。
個人的にはお母さんの「なんてげんしてきなの」のセリフに思わず笑ってしまいました。 なんでもかじるあかちゃんが家を這い回っているときに、口にしたようなセリフです。 キョウリュウもあかちゃんも「げんしてき」だからかわいいということもあるけど、やっぱり生き物を飼うには、その生き物に合った環境が必要ですよね。 最後の場面にはクスッとさせられますよ。
フレッドがくちゃくちゃかんで壊したさまざまなものが細かく描かれた場面は見どころです。 困り顔のおじいさんやアレックスの表情にもご注目くださいね。 きたむらさとしさんのユーモラスな絵の世界をたっぷり味わえる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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アレックスは、キョウリュウ・デパートでキョウリュウを買ってもらいました。 ところが、このキョウリュウったらものすごい食欲で、洗濯物やおとなりの庭のウリまで食べちゃうし、 お風呂に入れるのも一苦労。家にいれば部屋の中はぐちゃぐちゃで、 散歩に出ればトラックにもとびかかる、キョウリュウを飼うって本当に大変! 少年の夢をユーモラスに描いた秀作。
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恐竜好きの子だったら
一度はこういう「恐竜を飼う」っていう妄想
してみるんじゃないでしょうか。
そんな妄想全開のこの一冊。
でも、妄想だとしても、実際に飼うとなると
前途多難になりそうな現実が
コミカルに描かれています。
「飼っている猫をひとかじり・・」なんて、ぞっとしますが
きたむらさとしさんの絵が笑いを誘います。
読み進めていくうちに
恐竜を飼うという妄想現実は「夢オチ」するのですが
現実的に「・・・ウサギを飼いたい」という主人公に
またクスリときます。 (やこちんさん 40代・ママ 女の子12歳)
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