「さいごの漁を終えた日、おばあは遠い海の向こうへ旅立っていった」 村でただひとりの女漁師の「おばあ」は最後の漁を終えた日、長年をともにしたボロボロの木舟を浜辺で燃やすことにした。それは美しいかがり火となって奇跡を呼んだ。昔、家を飛び出していったきりだった息子が、突然おばあの前に現れた。二度と会えないと思っていた息子と再会する感動の物語で、子どもがひとりで読めるシンプルな内容。しかしこの本はもうひとつの顔を持っている。沖縄には「水平線の向こうに〈ニライカナイ〉という別の世界が存在する」という信仰があり、それを踏まえた上でこの絵本を読むと、もうひとつの物語が姿を現す。
私はこの本を読ませて頂いて、とても感動しました。これはひじょうに奥が深くて、ホットな気持ちにさせてくれるからです。かがり火と言えば、私はこれまで何度もかがり火を見つめてきたように思います。このお話はかがり火によって奇跡的な再会が起こるわけですが、ほんとに人生というものを考えさせてくれます。そして胸が熱くなります。 (水口栄一さん 60代・その他の方 )
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