主人公のりんぞうくんは、活発で優しい男の子。 友達もたくさんいます。
小学1年になり、どんな勉強をするかワクワクしていました。
ところが、前の日に習ったひらがなが読めません。 先生は「みんなできてるぞ きみはやればできるこだよ」と声をかけ、りんぞうくんは、自分の努力が足りないからだと感じます。
夜、ひとりで読み書きの勉強をしても、お母さんに「まだひらがなも覚えてないの?ちゃんとやってる?」と叱られるりんぞうくん。
自分を「ばか」だと思いこみ、楽しかった幼稚園に戻りたいと、りんぞうくんは、泣きながら幼稚園にたどり着きます。 それを見た幼稚園の先生が、りんぞうくんの話に耳を傾け、秘密の特訓をしてくれることに・・・。
文字の読み書きの学習障害、「ディスレクシア」。 「ディスレクシア」という障害名は知っていても、実際にどんな状態なのかはあまり認知されていません。そして、学び方をその子にあった方法に変えるだけで、学習障害を改善することができるかもしれないと、いうことも。
この絵本は、単行本『怠けてなんかない!』(岩崎書店)の絵本版として出版されました。
あとがきでは、著者の品川裕香さんが、ディスレクシアの現状と課題、対処法などを丁寧に解説して下さっています。
りんぞうくんのように、「バカなんだ」と自分を責めて殻にこもってしまっている子どもが、実際に多くいるのだと想像できます。 この絵本を読んで、少しでも多くの大人や教育者が、自分の周りにいるりんぞうくんに気づけるようになりたいです。
(福田亜紀子 元絵本編集者)
元気な男の子・りんちゃんは、小学校にあがり、字が読めないことに気づきしょんぼりしていました。 そのことに気がついた幼稚園の先生の応援で、前向きに勉強に向かえるようになるまでの物語。
『怠けてなんかない!』が出て10余年。 この間、ディスレクシアという言葉は大分、浸透してきました。
この絵本版は「ディスレクシアって、どういうの?」「ディスレクシアだったら、どうしたらいいの?」 ということを、主人公の男の子の苦悩と努力する姿を通して、理解してもらおう、 という意図で制作しました。 小学校に入学し、読み書きが苦手なことがわかって愕然とする主人公の男の子が、 まわりの理解と本人の努力で元気を取り戻すというストーリーになっています。
子育てをする親たちに、教育関係者に、 また、当事者にディスレクシア(読み書きのLD)を知ってもらうための絵本。 「もしかしたら」と思ったら、すぐに専門医に行くためにディスレクシアへの対処法なども記載。
この絵本を読むまで、「ディスレクシア」の意味も学習障害を持ったお子さんが居ることさえも知らなかった私です。いろんな障碍があるんだなあと思いました。まわりにもしいたら、なにもしてあげれないけれど、言葉で傷つけるようなことは言わないでおきたいと思いました。この絵本に出会えてよかったです。 (押し寿司さん 60代・じいじ・ばあば )
|