「さむい季節にやってくる、 まっ白いサーカスが。」
北のはずれの、さらに北。 氷の国からくじらに引かれてやってくる。 一年に一度、水平線の向こうから顔を出すのは北極サーカスのテント。
待ちわびていたのは、北の国に暮らす人や動物たち。 ドゥラララララ…… テントに響くドラムの音が呼びかける。 「さあ、はじまるよ! はじまるよ!」
そこに登場するのは、青いライトに照らさせた白い毛皮の団員たち。 ああ…… なんて美しく幻想的なのでしょう。 不思議で、ゆかいで、なぜだか少しかなしくて。
庄野ナホコさんの描く「ゆめのような 白いサーカス」の世界。実在するかしないかは関係なく。それは、一目見た者の心に、あっという間に憧れの気持ちを植えつけてしまうのです。氷に浮かぶテント、月の光に照らされた空中ブランコのシーン、そして絵本のしかけを使って繰り広げられるクライマックスの大技。そこが例え北の果ての知らない国でも。どんなに凍てつくような寒さの季節でも。いつかこの目で見てみたい、と。
子ども達が大人になって、ふと思い出した時。 「この絵本を開けばいつだって白いサーカスに会えるんだ!」 そう気がついてくれるのが楽しみになる一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
「ようこそ、北極サーカスへ!」 ホッキョクオオカミの団長の口上ではじまったのは、ホッキョクグマの優美なアイスダンスに、ホッキョクウサギの炎の輪くぐり、ホッキョクギツネの空中ブランコ…… 氷にのってやってくる、まっしろい動物たちのサーカスは、 不思議でゆかいで、なぜだかすこしかなしくて。 夢みるようなサーカスの、すてきな時間。
『二番目の悪者』や「ルッキオとフリフリ」シリーズなど、庄野ナホコさんの描く、甘くて美しくてそこはかとなくユーモアが漂うイラストが大好きです。
こちらの作品も、大人っぽい表紙のイラストがとてもすてきだったで、読みたいと思いました。
クジラに引かれてサーカステントが北極にやってきます。北極サーカスは「ふしぎでゆかいでなぜだかすこしかなしくて」。
幻想的で美しく、確かに少し悲しい雰囲気も。でもとても素敵な空間でした。
大人にもおすすめの絵本です。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子15歳、男の子13歳)
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