ねえさんは、いつだって小さないもうとの面倒をみてくれる。 公園で遊んでいる時も、学校に行く時も、 くさはらで散歩をする時だって、ちゃんと危なくないように見てくれている。
それだけじゃない。 なんだって教えてくれる。 お裁縫だって、泣いてしまった時の泣きやみ方だって。
ねえさんは、なんでも知ってるんです。 でも、ある日。 いもうとは、なんだか……。
ゾロトウが描き出すのは「ねえさんといもうと」だけの小さな世界。静かで優しいお話を、酒井駒子さんが咀嚼し、新たな翻訳と絵で表現してくれています。その愛らしさと言ったら……! 読んでいる最中、ずっと幸せな気持ちになってしまっている自分に気がつきます。
それでも、この小さないもうとにとっては切実な瞬間。昨日まで当たり前だと思っていたことが、ある日突然その気持ちに変化が起きるのです。世界の見え方が変わるのです。それって、どんな気持ちなのでしょう。かなしい出来事? さみしい出来事? いえ、答えは絵本の中の彼女の表情にあらわれていますよね。
ねえさんといもうと、ふたりがほんのちょっとだけ一歩前に進むこのお話。些細な出来事ではあるけれど、こんな風にして姉妹の関係は成長していくのでしょうね。姉妹がいる方も、そうでない方も。存分に味わってみてください。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
世界的絵本作家ゾロトウのあの物語が、 酒井駒子の絵で、今あざやかによみがえる!
小さいいもうとは、いつもねえさんといっしょです。 学校へ行くときも、遊ぶときも、おやつを食べるときも。 ところが……。
幼い子の成長をみずみずしく描いた珠玉の名作。 日本オリジナル版、待望の刊行です。
この絵本は「妹」の立場から読むと、良いお話なのだと思います。
私は「姉さん」の気持ちで読んでしまったので、ちょっともやもやしてしまいました。
日常のちょっとした出来事をきっかけに、成長する姉妹のお話でした。 (さくらっこママさん 30代・ママ 女の子4歳、男の子2歳)
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