何でもかなう魔法よりも大切なものがある。
ロバのシルベスターはとうさん、かあさんと一緒に住んでいました。かわった形や色の石を集めるのが楽しみだったシルベスターはある日、願ったことがかなう魔法の小石を手に入れます。大喜びで何を願おうかと考えていると、目の前に腹をすかせたライオンが。そこでシルベスターはあろうことか「ぼくはいわになりたい」と願い・・・、岩になってしまいます。
たったひとつの希望は、誰かが小石をひろって、彼が元に戻ることを願ってくれること。でもそんなことは奇跡でも起こらない限り無理でしょう。無情にも時は流れていきます。ところが、奇跡は起こるのです。魔法よりも、ずっと大切なものがある。そう感じさせてくれる作品です。
補足:1970年のコールデコット賞作品。作者のスタイグは映画「シュレック」の原作者です。2006年02月新版が刊行され、旧版は「ロバのシルベスターとまほうのこいし」と、ひらがなのタイトルでした(日本での初版1975年、ISBN4566001016)。
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
ながく愛され続けてきた名作絵本の美しい新版。コールデコット賞受賞の際のスタイグ氏のスピーチ収録。
ある日、ロバのシルベスターは、のぞみがかなう、まほうの小石をひろった。ところが…。水彩で描かれた原画の色合いをできるかぎり忠実に再現した〈新版〉。コールデコット賞に輝き、以来30年以上もの長い間、世界中で愛され続けてきた名作が、美しく生まれ変わって登場。
ロバのシルベスターはひょんなことで、魔法にかかって自分が石に変わってしまいます。
シルベスターの両親は、とつぜん癒えにもどらなくなった息子をさがします。
軽いタッチの絵ですが、親子の気持ちが、とても伝わってきて、切なくなります。
最後は、ハッピーエンド。本当に良かったと満足できます。
親子の愛とは…と、大仰に語らなくても、それが伝わってくる。絵本ならではの、喜びだなと思います。 (ピンピンさん 50代・その他の方 )
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>>> ユウchan「ロバのシルベスターとまほうの小石」
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