主人公のトムくんが楽しみにしていた海水浴なのに、パパとママは遊んでくれない。ちょっと冒険と一人でおさんぽ。夕方になり帰り道がわからなくなってしまったトムくんの足元に、誰かが忘れていった本が一冊。トムくんがその本をひらいてみると…。今度はトムくんの スキー旅行のお話がはじまります。トムくんが楽しみにしていたスキー旅行なのに、パパとママは遊んでくれない。ちょっと冒険と一人でおさんぽ…。 本のなかに実際に2冊の本が綴じこまれた絵本。言葉は同じで、違う場所での物語が展開します。主人公は物語のなかでどこに行ったのでしょうか。物語の最後で主人公ははればれとした表情です。経験したのは、本を読むということだったのでしょうか、または本の中に入り込んで冒険してきたのでしょうか、はたまたすべてが夢だったでしょうか。 「いながらにして違う世界を旅できる」「同じことばでも違う絵がつくことでちがう世界が広がる」そんな本という存在のおもしろさを、物語のなかで味わうことができる、何だか深(ふか)おもしろい絵本です。
海、雪山、宇宙…。
お出かけ日和に、トムくんとパパとママはずいぶん遠くまでお出かけしたのね、と思いましたが、文章は3ヵ所とも一緒で行き先は絵で判断していたことに気づきました。
私がトムくんだったら近所の公園でも良いなあと思って読んでみると、近所の公園だったとしても当てはまるお話でした。
仕掛けはシンプルですがお話と組み合わさると秀逸で、ちょっと不思議な体験でした。 (みいのさん 60代・その他の方 )
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