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オギが通学鞄がわりに使っているチェクポ(風呂敷状の布のこと)は、おばあちゃんが端切れを縫い合わせて作ってくれたもの。オギは友だちのダヒの新しい鞄が羨ましくてなりません。古びたチェクポをからかわれたオギは、ダヒと大げんか。でも、おばあちゃんの針仕事の姿を思い出したオギは、一針一針にこめられた真心に気づきます。暮らしの工夫や手仕事の意義など、現代が失ったものの大切さに気づかされる絵本です。
絵は「かあさん まだかな」のキム・ドンソンさんです。
この方の絵は柔らかくて温かみがあって、写実的的なバックの風景もですごく好きです。
今は韓国でも、日本でも、貧しくて学校に行くカバンが買えないというお子さんはほとんどいなくなっていると思います。
この作品では、貧しい農村地域で暮らす女の子の気持ちをよく表してくれています。
タイトルになっている「チェクポ」というのは韓国風風呂敷で、巻末にいろいろな「チェクポ」の形や使い方が詳しく書かれていました。
ただ、日本でいう風呂敷は一枚布ですが、「チェクポ」はあまり布を重ねて縫い合わせて作るのが普通だったようです。
とても読みやすく、韓国の文化風習を知るいいきっかけになる作品です。
主人公のオギが小学校低学年のようなので、小学校2,3年生から高学年中学生でも読み聞かせにお薦めです。 (てんぐざるさん 50代・ママ 女の子19歳)
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