少女がのぞいた鏡の先は、二度ともどれない白銀の世界。 見慣れた路地裏に、見知らぬお店を発見した麻衣子。ドアにかかったプレートには「布地各種扱っています」とだけ書いてありました。そこはとても不思議な世界への入り口だったのです……
美しいイラストと幻想的な物語が魅力の珠玉の絵本。
雪がやんだばかりの地面は、冷たく、重く、足に何度もまとわりついてきます。無数の星が凍る空の下、麻衣子は走り続けました。「お願い、間に合って……」
好きな仕事とはいえ、人と全く関わることなく続けていくのは
とてもさびしいことなのでしょう。
天使は雲織りのおばあさんを通じ それを感じとったからこそ
麻衣子に人間の世界へ帰るように言ってくれたのかもしれません。
おばあさんのところから逃げるところは
見つからないかとドキドキします。
雲織りが敷き詰められているように 足にまとわりつく地面は
麻衣子のあせりとともに
おばあさんの行かないでという思いの象徴にも思えます。
(グラッツさん 30代・ママ 0歳)
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