ルーシーには、いぬもねこもいないし、お兄さんもお姉さんもいません。でも、ルーシーには、大好きなジェシカがいます。どこへ行くのも一緒。遊ぶ時も、おばあちゃんの家に行く時も、本を読む時も。
「ジェシカなんて子は、いないよ」
お母さんもお父さんもそう言うけれど。でも、さびしい時も嬉しい時もいつも一緒。ルーシーが怒れば、ジェシカもかんかん。ルーシーが5歳になれば、ジェシカも5歳になります。
そんなルーシーに、いよいよ初めて幼稚園へ行く日が訪れます。たくさんの子どもがいます。ジェシカは家に帰りたがります。そんな時、ルーシーの隣にやってきたのは……?
一人で遊ぶのも悪くないよ。だって、私には心の中の友だちがいるんだもん。そんな風に思っている子、案外少なくないのかもしれませんよね。彼らは上手に遊び、上手に時間を過ごし、色んな気持ちを乗り越えます。それだって、やっぱり大切な友だちです。だけれど、ふとしたきっかけで新しい友だちにも会えるってこともあるのです。
コールデコット賞受賞作家ケビン・ヘンクスの初期の名作であるこの絵本。ルーシーの心の中の楽しさを描きながら、みんなの心もくすぐってくれる愛らしい1冊です。ルーシー、ジェシカに会えてよかったね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
コールデコット賞受賞作家 ケビン・ヘンクスの名作!
ルーシー・シムスは、小さな女の子。 ルーシーには、ペットもいないし、 お兄さんやお姉さんもいません。 でも、ルーシーにはジェシカがいます。 お父さんもお母さんも、そんな子はうちには いないと言いますが、ルーシーは、 いつもジェシカといっしょ。 ある日、ルーシーは幼稚園に行きました。 たくさんの子どもがいますが、 ジェシカとだけあそびます。 ところが、ふたりずつならんで トイレにいくとき、 ひとりの女の子がルーシーのそばにやってきて…? 子どもが心から共感できる楽しい絵本。
ルーシーとイマジナリーフレンドのジェシカとのつながりが、かわいらしい絵で描かれてます。どうなるのかな、と読み進めていけば、おもいがけない展開がほんわかと素敵なお話でした。ケビン・ヘンクスの初期の本と知り、ファンとしては、そこも興味深かったです。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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