「女の子の昔話えほん」シリーズは、女の子が主人公の昔話を集めたものです。このシリーズの主人公たちは、自分で道を開き、強く生きていく姿が印象的。本作は、高知で語り継がれ、子どもたちに大人気の力持ちの女の子・おかねのおはなしです。
おかねは力持ち。たった3歳で相撲取りも持てない臼を運び、娘時代には米俵を積んだ牛を担ぎ上げ、殿様を驚かせ、「天下御免」と言わせます。さらには、鉄砲の腕前は天狗も逃げるほどの腕利きの猟師となり、化け物退治をやってのけるのですから爽快!
天狗や化け物との対峙はドキドキハラハラ、おかねの聡明な鉄砲の腕前にホレボレ。化け物の正体も迫力の絵で、そのイメージがしっかりと伝わってきます。
昔話だからこそ、民俗学を学んだ中脇初枝さんによる丁寧な再話が魅力的。声に出して、最後の「むかしまっこう さるまっこう」という結句など、語りの醍醐味も味わってくださいね。
(中村康子 子どもの本コーディネーター)
おかねは、小さな女の子。そして、とってもちからもちです。 大きな相撲取りをたったの3歳で追いはらい、大きくなると殿さまにも認められるほどになりました。やがて、腕利きの猟師になると、天狗や化け物を相手に大活躍! 高知で愛されてきた、力持ちの女の子の昔話が絵本になりました。
::::::::::::::::::::::::: とんとんむかし。
おかねという おんなのこが、 とさのいわいという やまのなかで くらしていました。 おかねは、たいへんな ちからもちでした。
あるひのこと、おおきなすもうとりが おかねのいえに、ちからくらべに やってきました。 (本文より) :::::::::::::::::::::::::
昔話の主人公は男の子ばかり? そんなことありません!
世界と日本で語りつがれてきた 女の子と、大きくなった女の子たちの昔話を 絵本にして、おくります。 いろいろな女の子が主人公の絵本シリーズです。
力持ちとはどれほどの力だろうと読んでみると、相撲取りが持ち上げられなかったうすを軽々と持ち上げるくらいの強さで、とても驚きました。
話はそれだけにとどまらず、次々に武勇伝が出てきます。
力持ちだけでなく銃の腕も確かで、周りから一目おかれる存在。
実在していた女性ではないけれど、現代にこんな女性がいたら、憧れていただろうと思いました。 (めむたんさん 40代・ママ 男の子21歳)
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