小さなねずみのドッチが、仕事を探しに街にやってきて、配達屋さんにばったり会いました。ドッチよりうーんと大きな、くまの配達屋さんです。手には小さい椅子を持っています。
「ううん、まいったなあ」 くまの配達屋さん・ゴロンが言うには、届け先のおこじょさんが住む小さなマンションに、体が大きすぎて入れないので、椅子を配達できなくて困っているとのこと。「ぼくがとどけてあげましょうか?」と思わずドッチはお手伝いを申し出て、ゴロンにもおこじょさんにも喜ばれます。そんなふうに、小さなドッチだからできることが、実はゴロンの仕事にけっこうありそうで……?
控えめな色味、細部まで丁寧に描き込まれたおしゃれなヨーロッパ風の街の中、小さなドッチと、大きなゴロンがいいコンビで活躍します。大きなゴロンだからこそ、荷物をたくさん積んだ大きなトラックを運転できるけど、たまにはトラックが役に立たない場合もある。そんなときはドッチが自慢の機動力を生かして、全速力! お届けものは間に合うのか、後半のドキドキのストーリーもお楽しみです。
作者のそのだえりさんは2007年にボローニャ国際絵本原画展入選、2009年に最初の絵本「Service de Nuit」をフランスで出版し絵本作家デビュー。日本では「いじわるアイザック」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)や、「ちいさなりすの エメラルド」シリーズ、『みならいサンタ』(共に、文溪堂)なども人気ですよ。
大きなゴロンと小さなドッチ、それぞれの良さを生かしたコンビのお話をもっと読みたくなっちゃいますね。裏表紙のトラックの絵にも注目してくださいね!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
ちいさなねずみのドッチは、仕事をさがしにまちにやってきました。 まちの中で、困っているくまの配達屋さんに出会った、ドッチは、くまに手伝いを申し出ます。
大きな体のくまの配達屋さんは、普段困った場面に遭遇することが今までもたくさんあったんじゃないかな〜と思い、その度に親切な誰かに助けてもらいながらお仕事してたのかなと思いました。
優秀なパートナーに出会い、おおきなものからちいさなものまで何でも運べる配達屋さんになりました。
今後の二人の活躍も見てみたいなと思いました。 (ouchijikanさん 40代・ママ 女の子8歳)
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