おばあちゃんと孫のかけがえのない愛の物語
「わたしったら、どうして じぶんの まごが わからなくなったり するのかしら。」
「ぼくが だれでも べつにいいよ。 おばあちゃん、ぼくのこと すき?」
「ええ、ことばでなんて いえないほど。それを わすれないでね。」
5歳の少年と、5分前のことを忘れてしまうおばあちゃん。 少年は、おばあちゃんのそんな様子をまったく気にしません。
年齢とともに、あらゆる能力が失われはじめたとき、人間の心に最後に残るものは?
実話に基づき生まれた本書は、人間にとって、一番大切なことを教えてくれます。 前向きな気持ちになり、勇気をくれる一冊です。
【編集担当からのおすすめ情報】 初めてこの話を読んだとき、その愛情の深さに涙が出ました。 人間からあらゆることを削ぎ落としたとき、残るものって何でしょう。
この絵本には、人間の深い精神性が描かれていて、 もしも社会とのつながりがなくなったように感じたとしても、 大切な人を「ぎゅっ」としたくなる気持ちというのは、決してなくなるものではないのだろうと思います。
「私の子どもも、こんなふうにやさしい子に育ってほしい」 「涙が出ました」 という声を多く聞きました。
人間にとって一番大切なものは何か、という根源的な問いのある、このあたたかく深い一冊を、ひとりでも多くの方に読んでいただけたら嬉しく思います。
おばあちゃん、おじいちゃんが大好きな人、大好きだった人にはもちろんのこと、ご高齢の方との向き合い方に迷われている方、小さいお子さんにどう教えるべきかを悩んでいる方にも、とてもおすすめの絵本です。
制作関係者プロフィール
ジーン・ウィリス(作者) 出身国のイギリスで、300冊以上の本を出版する人気作家。出版している絵本の多くが世界中で翻訳されている。著書に『みんな、星のかけらから』(フレーベル館)など。 ラケル・カタリナ(絵) スペイン出身のイラストレーター。イタリア・ボローニャ国際絵本原画展で展示をする候補に選ばれる実力派。
前田まゆみ(訳) 主に翻訳した本に『だいすきだよ おつきさまにとどくほど』(パイ インターナショナル)『翻訳できない世界のことば』(創元社)など。
筧裕介(監修) 慶応義塾大学大学院特任教授、issue+design主宰。主な活動のひとつに、認知症の方が暮らしやすい社会を実現するための「認知症未来共創ハブ」があり、主な著書に『認知症世界の歩き方』(ライツ社)。
母も祖母も認知症なので他人事に思えず、読み聞かせ中に泣きそうになりました。
私もおばあちゃんの立場になった時はたしてこんな風に接することができるのかしら…
逆に私は母や祖母にこの男の子のように接してこなかったな…という反省も。
現実はこんなに美しいだけの世界ではないけれど、みな一度は読んでほしいなと思います。 (たちばなさん 30代・ママ 女の子5歳)
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