小さなマシュマロンたちがのんびり暮らす、マシュマロン村。好物の赤い実を食べ、ごろりと横になり、丘の上で夕日を眺めるマシュマロンたち。そんな気ままな毎日を送っていたある日、村じゅうに響き渡ったのは大きな謎の声。
「パライパンマンマ」
声の主は、見たこともないくらい大きくて黒いモジャモジャのいきもの。驚いたマシュマロンたちは、モジャモジャは自分たちを食べようとしてるのではないかと恐れ、戦うことを決意するのです。
「このまま うまうま くわれるわけには いきません!」
みんなで一丸となり、木の実を投げつけたり、ひもで縛りつけようとしたり。でも、モジャモジャは本当に彼らを食べるつもりなのでしょうか。 ひとりの小さなマシュマロンが疑問を投げかけ……。
いま世界が注目する韓国絵本から、また愉快な絵本の登場です。細い線で細かく、そして愛嬌たっぷりに描かれるマシュマロンたちやモジャモジャ。コマ割りで進んでいくその内容は、見ているだけでも楽しく笑ってしまいます。それでも、いきなり得体の知れない大きな生き物や理解することのできない言葉に遭遇した時、私たちはやはり彼らと同じような想像をふくらませていってしまうのではないでしょうか。
相手を理解しようとすること、先入観なく相手のことを見ること。しっかりと話を聞くこと。それがどんなに大事なことなのか。絵本を楽しむなかで、しっかりと伝わってきます。よかったね、モジャモジャと小さなマシュマロン。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
きみのことを話してごらん。――思いやりの気持ちが心に響くゆかいな「友だちづくり」のお話。
絵本ファンの間で話題!! いま世界が注目する韓国絵本 【ボローニャ国際児童図書展 2021年ボローニャ・ラガッツィ賞受賞作】
イ・ジウンの作品は、個性豊かなキャラクターたちがシンプルな筆致で、素晴らしく細部まで描きこまれている。楽しさと笑いの中にも、私たちがどのように他者を迎え入れ、受け入れていくか考えるきっかけを与えてくれる物語だ。 ―――審査員評
小さなマシュマロンたちがのんびり暮らす村に、ある日、意味不明の「パライパンマンマ」という言葉が聞こえてきた。その声の主は、大きくて黒いモジャモジャ。マシュマロンは、自分たちがモジャモジャに食べられてしまうのではないかと恐れ、戦うことを決意した。しかし、ひとりの小さなマシュマロンが疑問を投げかける。「ほんとに モジャモジャは ぼくらを たべるつもりなんでしょうか?」モジャモジャに近づき、話をよく聞いてみると……。 マシュマロンの相手を思いやる気持ちに、こどもから大人まで心が温かくなる「友だちづくり」のお話。かわいいキャラクターと、言葉のリズムの楽しさ、漫画のようなコマ割りによる親しみやすい作風も魅力的な1冊です。
題名に引っかかったら、ほら、もうこの世界に。
表紙絵の、何これ?の感覚そのままに、さあ、物語へ。
マシュマロン村の出来事ですが、何とも穏やかな生活に、何やら異変が。
「パライパンマンマ」という音とともに現れたモジャモジャへの印象は、
マシュマロンたちも同じようで。
そりゃあ、食われる、と慌てるのも、無理ありません。
妄想編は、うんうん、そりゃあ、ね。
でもね、よおく観察すると、真実が見えてきます。
これは究極のコミュニケーション術。
この気付き、とても大切です。
そこからが、素敵な展開に。
幼稚園児くらいから、とても大事なことを教えてくれる作品です。 (レイラさん 50代・ママ 男の子30歳、男の子28歳)
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