少年が、ある日、どんどんどんどん歩き始めました。アリも野原も森もそして、町も踏みつぶして歩き続けていきます。そして一休み。また、歩いたのさ。
迫力のある子どもの表紙にまず引きこまれる絵本です。
男の子を子育てする経験が私になかったらまず手に取ることもなく敬遠していたであろう絵本ですが、息子もすでに中一になり、また子どもに接する仕事を始めた私にとって、子どもって、特にエネルギー力に満ちた男の子ってこんな感じだぁと共感できました。
好奇心旺盛、休むことがない、でも時に止まって泥遊びをする、でもまた休むと元気。そんな精気が絵本からびしびしと伝わってきます。
『のまどくん』という片山さんの絵本を読んだ時にもああ子どもってこんな感じと思ったのですが、こちらの絵本がより生々しい感じを受けます。
長谷川摂子さんが『絵本が目をさますとき』の中でこの絵本を「噛みつき絵本」と評されていましたが、納得できます。
特に、男の子に向けて読んであげたい絵本です。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子12歳)
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