昔話といえば「むかしむかし、あるところに・・・」と始まって「めでたしめでたし」で終わるのがお決まりのパターンですが、本書はその反対、タイトルの通り「めでたしめでたし」からはじまるパロディ絵本です。
昔ばなしのおなじみキャラクターがたくさん登場しますが、ふつうの昔ばなしに出てくるのとはひと味ちがい、くせものぞろい。 お姫さまは、すてきな騎士にレモネードをあびせかけ、ドラゴンは、あのかわいらしい動物をとてもこわがっていて、巨人は、大好物のケーキのためにかんしゃくをおこし・・・。 ヘンテコなことばかり起こります。 また、見返しをはじめ、ページのすみすみにこまごまと描きこまれた登場人物や小道具がウィットに富んでいて、「絵を読む」楽しさも! 遊び心満載の楽しい絵本です。
※2007年度ゴールデン・カイト賞 絵本部門 銀賞受賞作
原題は、「The End」
そのものズバリという訳題です。
普通は、昔話ってめでたしめでたしで終わるのですが、この絵本はその終わりからどんどん前にお話が進むというストーリーです。
ストーリー自体は、さほど面白みがないのですが、何と言っても、リチャード・エギエルスキーの絵が、絶品です。
少しデフォルメの効いた作風は、子供心を惹きつけること間違いなしでしょう。
1987年に『HeyAL』でコルデコット賞を受賞しているのも頷けます。
アメリカンコミックを彷彿させるテイストは、モーリス・センダックに作風が似ていますが、我家の好みとしては、こちらの方がずっと上という評価でした。
正しく絵を楽しむ絵本だと言えると思います。 (ジュンイチさん 40代・パパ 男の子12歳、男の子6歳)
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