江戸時代、徳川家康による国づくりは東洋の理想郷ともいえる社会であった。この文化圏の数千年の叡智の結晶といえる時代だったのかもしれない。江戸時代の人たちは宋時代の中国の文化を特に愛していた。宋時代の中国といえば五代十国時代を収めた趙匡胤により、武官より文官が重用され、武力よりも文化に力を入れることによる平和確立を目指した時代だ。文化は元々、権力者たちが築いてきたものだが、宋や江戸は民衆による文化が生まれ、その先に目指すべき理想の社会になろうとしていた。陶磁器、茶、漢方、発酵食品、有機農法のような生活に紐づく文化や、様々な地域と影響を受け合い、磨かれた技術による工藝品の数々。今も残るお祭りの始まりである地場信仰や、仏教交流。このような社会が産まれた背景には、様々な文化が融合していく地域の特性があった。琉球國と蝦夷地の重要性を交え、江戸時代の産まれた背景や文化を、中國紀行CKRM的視点でお伝えし
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