どのように根付き適用されているのか
「同等の、同様な」を意味するラテン語「パリタス」に由来する「パリテ」。この言葉は、数学や物理、経済学、社会学などの分野で、二者の相似を意味する語として使われている。本書は、この「パリテ」という言葉が、フランスで公職への両性の平等な参入に向けた新しい概念として現れた背景を探る。 1979年、国連で女性差別撤廃に関する条約が採択され、1995年の第4回北京世界女性会議では、パリテが中心テーマとなった。世界各地では女性の政治的過小代表を補うために、さまざまな戦略が採られた。一方フランスでは、官民要職への女性参入を促進する法律の公布が相次いだのは、2008年の憲法改正以降である。いかなる属性によっても市民を区別しないとする平等原則を掲げるフランスで、パリテがどのように根付き適用されているのか。 フランスのパリテに詳しい村上彩佳氏の解説を収載。
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