暗渠とは、どんな存在なのか。何を内包しているのか。
いまから100年ほど前まで、東京には無数の川や上水路・用水路、運河や堀割があった。それらの大部分は失われたが、いまもなおその存在感を漂わせているところも多い。
本書は、暗渠(ここでは、流路の痕跡を含めてそう呼ぶ)を歩く形で紹介しながら、それぞれの暗渠に空間・時間・景観の三つの軸からアプローチして、体系的にその姿をひもといていく。
●90cm×60cmの大判地図が付属 ・大正時代の地形図に現在の暗渠を重ねた地図 ・土地の傾斜がわかる「傾斜量図」と暗渠の重ね地図
【主な内容】 ●第1部 東京の暗渠空間…多層的なレイヤーと水路網の広がり 新川と大泉堀(白子川上流部) 鮫川〜桜川 三田用水と分水路 仙川のあげ堀 前谷津川 葛西用水西井堀
●第2部 東京の暗渠史…水路網の形成と消滅 神田堀(竜閑川)・浜町川と神田大下水(藍染川) 指ヶ谷と鶏声ヶ窪の川(東大下水) 谷沢川 立会川とその支流 小沢川 三ヶ村用水
●第3部 暗渠に残る川の記憶と暗渠スケープ…失われた空間と時間への手がかり 神田川支流(玉川上水幡ヶ谷分水) 仙川を渡る三つの用水 狛江暗渠ラビリンス 練馬の谷戸の暗渠群 石神井川の源流を探して 白子川於玉ヶ池支流と幻の兎月園 麻布十番・六本木界隈 「清正の井」から流れ出す川と暗渠
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