毎年、夏になるとおばあちゃんの家で会ういとこのおにいちゃん。おにいちゃんは、宇宙飛行士のおじさんと火星人のおばさんとの子どもだ。ぼくよりも3年先に地球で生まれたんだ。
一年に一度会うおにいちゃんは、流行の火星人ファッションで別人みたいな恰好をしている。でも、どんな姿でもおにいちゃんはおにいちゃん。会えばすぐに仲良くなって遊びだす。
……だけど、お父さんが言うんだ。
「おじさんの都合で、おにいちゃんは今度木星に引っ越すことになった」
次はいつ会えるかわからないなんて、そんなのぜったいにイヤだ!
例え住んでいるところが遠くても、姿が多少ちがっても、お兄ちゃんが好きな気持ち、憧れる気持ちは変わらない。いとこっていいな、家族っていいな。お話の舞台を自由に広げていく絵本作家あさおようさんの新作は、あたりまえのことがジワジワと心にしみてくる絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
毎年、夏におばあちゃんの家で会ういとこのおにいちゃん。 おにいちゃんは宇宙飛行士のおじさんと、火星人の奥さんとのこどもだ。 今は火星でくらしている、おにいちゃんが今度は木星に引っ越してしまうらしい。 お父さんが「木星は遠くだから、これからはいつ会えるかわからない」なんて言う。 大好きなお兄ちゃんと会えなくなるなんて、ぜったいにイヤだ!! こどもにとっての、少し年上のお兄ちゃん・お姉ちゃんに対する憧れと、大好きな気持ち、それを大切にしてほしいとおもって作りました。
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