盲腸の手術をした5年生の正君におばあちゃんが12色のクレヨンをくれました。そのクレヨンの1本1本が、正君のねむりの中に順々にあらわれて、むらさきはスミレの花、みどりはヘチマ、黄色はエンゼルの話……12のお話をはじめました。楽しくて、すこし心がいたむ「クレヨン王国」シリーズ4作め。
親のいない間の正くんの手術前に、おばあちゃんが差し入れした紙とクレヨン。お母さんの手術のときはこれでお母さんがクレヨンの夢を見て、経過がよかったんですって。ゲンをかついで渡されたクレヨン。
正くんの夢の中で12色のクレヨンたちがたくさんの話をしますが面白いです。売られていく豚の話、いろんなものに追い払われる野原の話など、人間の業について考えてしまいます。切なくなるけど、自分のやっていることについて考える機会をくれます。
自分で考えるようになった小学生以上におすすめ。 (えみりん12さん 30代・ママ 女の子3歳)
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