大晦日、魔術師のイルヴィツァーは憂うつだった。自然破壊の任務が果たせていないからだ。そこに魔女が現われ、何でも願いのかなう魔法のカクテルを作ろうと提案するが……風刺のきいたナンセンス物語。
ミヒャエル・エンデの作品は
「モモ」しか読んだことありませんでしたが、
あの独特の空気感というか、
読んでいるうちに自分の中で勝手に物語の街ができていく感覚を
この本でも味わうことができました。
年が明けるまでに大きな自然破壊の任務を果たさなければならない魔術師と
魔術師の力を借り、願いがかなうというスープを作ろうとたくらむ魔女、
その悪事を止めようとするネコとカラス…
カタカナの長ーい名前に慣れるまで少しかかりましたが
読み進むにつれてそのおもしろさにハマっていき、
いつの間にか魔術師の家のようすが頭の中に浮かぶようになっていました。
イメージがすごくふくらむので、
途中からでも本を開くとすぐに物語の中に入っていけます。
ひねくれものの登場人物が
いろいろたくらみ試行錯誤する姿がおかしく、
あっという間に読んでしまいました。
小学校高学年にチャレンジしてほしいなーという一冊です。 (ラッツさん 20代・せんせい )
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