大きな、年とったスギの木の下で、ふたりの子どもたちが遊んでいました。そこへ神様があらわれ、世界を見にいこうとふたりを誘いました。そこで、子どもたちが目にしたものは……。人と自然との共生をテーマにした南紀熊野体験博のイメージテーマから、バーニンガムがかきおろしたオリジナル絵本。
この本は、2003年のこの世界情勢の今、世界中の人に読んでもらいたい。
少し小さい子には、難しいかもしれませんが、それでも、少しでも何か伝わればと思い、何度も5歳の娘に読みました。でも、それは同時に、今の世の中を作る一端を担っている大人の自分に言い聞かせるためでもありました。
神は、何千年もかけて、きれいな空気と水のある地球という楽園をつくりました。すっかり疲れて、寝ていた神が現代になり起きてきて、すっかり変わった姿にびっくりします。汚い地球、溶ける氷山、食料難と一方の飽食・・・。神のそばにいた二人の子供は、何をすべきか神にたずねます。
「こんなくらし方は、まちがっている。生き方をかえなくちゃ」
子供達は、開発でお金を儲けた人、お互いに争っている宗教家、軍人、自分は何もしない人達や世界でどんなことがおきているかもちっとも気にしない人達に訴えにまわります。
そして、神の言葉にみんなが耳を傾け、改心し、子供達が願ったことが本当になり、ずっといい世界になります。
これは、理想論だと言う人もいるでしょう。でも、何もしない人、どんなことがおきているかもちっとも気にしない人達の一人である私は、何だか頭をトンカチで殴られたようなショックをうけました。一人では変えられないと諦めないで、世の中がもっと悪い方へ進まないように、何でもいいから行動を起こさなければいけない時が、まさに今起きているのではないのでしょうか。
この本を読むと自分の中で何かが変わるかもしれません。環境問題や飢餓、戦争がなくなるよう、作者の切実な願いが読んだ人、一人一人に伝わってきます。 (はなしんさん 30代・ママ 女の子5歳、男の子3歳)
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