猟師は吹雪のなかキツネに出会い、助かったら娘をキツネのヨメにするという約束をして命を助けられました。すべての生き物は一生懸命暮らしていて、人間だけが特別ではないことを示しています。
自分の命を助けてもらうかわりに娘を嫁にやると約束してしまった父親。苦悩が続きます。
根底にあるのは、どうぶつを見下す気持ちではないでしょうか。
上の姉達に拒否された父親は、しかたなく末娘をキツネの嫁に出します。
結婚した娘を見て、父親はどんな気持ちになったのでしょうか。「こんなにしあわせな気分になったのは、弥平ははじめてのことでした。むすめのお光がしあわせになったから、父親の弥平もしあわせだったのです。」
人間同士が結婚したからといって幸せになるとは限らない。このキツネたちは何が幸せなのかを知り、この父親までも幸せな気持ちにさせてあげられたのです。
人間らしい心が失われつつあるといわれる昨今、ちよっと考えさせられる本でした。 (まあちゃん235さん 30代・ママ 男の子9歳、男の子7歳)
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