「略歴」は石垣さんの第三詩集です。「朝のパン」という爽やかな詩をご紹介しましょう。
毎朝 太陽が地平線から顔を出すように パンが 鉄板の上から顔を出します。 どちらにも 火が燃えています。 私のいのちの 燃える思いは どこからせり上がってくるのでしょう。 いちにちのはじめにパンを 指先でちぎって口にはこぶ 大切な儀式を 「日常」と申します。 やがて 屋根という屋根の下から顔を出す こんがりとあたたかいものは にんげん です。
その他、編者が作った石垣さんの詞華集「空をかついで」と同名の詩。 「大根」という愉快な詩。「女」「子守唄」など、女性の感性が キラリと光る名詩がつまっています。
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