船員募集の張り紙を見て、チムとジンジャーは応募したが……。世代をこえて子ども達を魅了してきた海洋冒険絵本の完結編。最後のページには船長になった大人のチムの姿がある。
みずが きかんしつに ながれこみ エンジンが とまってしまいました。エンジンが うごかなければ、おおうなばらを きぎれのように ながされるほかは ありません……。 三日間だけの短い航海。募集張り紙を見て、乗組員に応募したチムとジンジャーだったが、船は嵐で航路を見失い、頼みの救命ボートも波にさらわれてしまった。 5歳の息子に語った『チムとゆうかんなせんちょうさん』から35年、作者72歳の本作品の献辞は「すべての まごたちに」とある。世代をこえて子ども達を魅了してきた海洋冒険絵本の完結編。10巻最後のページは、船長になった大人のチムの姿。 イギリスの国民的イラストレーターE・アーディゾーニの、生誕100年を記念して企画され、新規の製版により美しくよみがえった潮の香り漂う海の物語。
子供だてらに、今まで散々冒険旅行を繰り返してきたチムの、子供時代の最後の航海のお話です。
素敵な船を見つけて、後先も考えずにまた船に乗り込んでしまうチムとジンジャー。しかし、海が大荒れになり、浅瀬に乗り上げて難破してしまいます。
今回も危機一髪のところで、辛くも助かりますが、とうとう、やたら物分りがよさそうな、放任主義な母親に大人になるまで決して海には出ないという約束をさせられます。
普通だったら、もっと早く約束させてるよ、と思うところですが、ここは物語のご愛嬌です。
最後に、大人になった彼が、立派な船長になった姿が描かれています。だけど、その顔がとっても寂しそうだと思ったのは私だけでしょうか。
もしかしたら、このシリーズを終わらせたくないという作者アーディゾーニの気持ちが表われているのかも知れませんね。 (はなしんさん 30代・ママ 女の子5歳、男の子3歳)
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