『ちいさなあなたへ』『てん』のピーター・レイノルズ最新作。ローズの夢は、世界じゅうを冒険すること。あるとき、ついに、夢を実現しようと、不思議なティーポットにのって旅に出る。いろいろな国へ行っては、記念に花の種を集めた。夢をかなえたのはいいけれど、なんだかものたりない。集めた種をまいてみようと思いたったローズは、ある大きな街にたどりつく。コンクリートだらけでせわしないその街のなかに、ぽっかり土がむきだしになったところを見つけ、種をまいてみた。でも、待てど暮らせど、芽は出てこない。1年たっても、出てこない。けれど、ローズはあきらめなかった。種の力を信じて待ち続けた。そのうち、ローズの話を聞いた街の子どもたちが、手づくりの花をもって、ローズのところにやってくるようになった。そして、とうとう――。 人が幸福になるために必要なものとはなんだろう? 人生に一番大事なものを描いた珠玉の絵本。
レイノルズさんの「てん」が、水彩絵の具と“紅茶”で描かれたことを知り驚きました。
この作品も、きっと紅茶が使われてますね。
ティーポットを船にして、世界中を旅する夢をかなえたローズ。
行く先々で、訪れた記念に花の種を集め旅をし、種がいっぱいになり自分の庭を作ろうと思っていた時に立ち寄ったコンクリートだらけの大きな町。
ぽつんと土がむき出しになっている色のない場所を見つけ、・・・。
えっ、こんな場所に?
もっと良い場所はたくさんあるんじゃないの?
なんて、読み進めていたら、花の種までアクシデントに見舞われて、ハラハラドキドキでした。
種が芽を出すのを辛抱強く待つローズの花への信頼と愛。
紙の花を差し出すこどもたちの愛。
そして、本物の開花。
花の色が加わっていく後半は、読者の心を動かすこと間違いありません。
紙の花も本物の花も見分けがつかない美しさです。
きっとそれは、どちらも“愛”だからでしょうね。
そう、全てが“愛”でした。
ローズは素敵な終の棲家を見つけ、自分の庭を作ったのですね。 (アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子12歳)
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