田舎で何不自由なく暮らしていた馬が、ある日突然、バレエの美しさにとりつかれ、町のバレエ学校へ入学します。慣れない町の生活。厳しいレッスン。でも、とうとう、心優しい大家さんをはじめとする人々の善意に支えられ、みごと優秀な成績で卒業です。しかし……。バレエを踊りたいという、ちょっとヘンな馬をめぐって、人と動物の善意と友情を描いた、ほのぼのと、心温まる愉快なお話。1996年にノルウェーで出版された作品です。
邦訳が菱木晃子さんだったので、間違いはないと思っていましたが、ホントに楽しいお話でした。
“馬”が町へいって「バレエ」を習うなんって奇想天外の物語ですが、言い切ったもん勝ちというか、この変な設定が、物語の中でちっとも変に思えなくなり、最後の方には主人公の馬さんと友達になったような気持ちにまでなれる。楽しくて暖かいお話でした。
しゃべって、2足歩行(もちろんたくさん練習してですが)で、バレエを踊ってしまう馬の自分探しの物語で、バレエを習い始める経緯とか、バレエ学校へ入ってからのいろいろな話が、
子どもたちが読んでも疲れない、ちょうど良いセンテンスで短くまとめられているなぁと、感じました。
特に、仲良くなったバレエ学校の子どもたちと、そのうちの一人のお誕生パーティに呼ばれた時のお話は面白かったです。
最後に作者紹介のところには
「18歳よりの子ども番組製作にかかわり、ジャーナリスト、シナリオライター、俳優・声優でも活躍していて、今回の作品で作家デビュー」とか…。
すごい経歴の方でした。いろんな才能をお持ちなんですね〜。
この児童書も、字が大きくてイラストがたくさん載っているので、小さいお子さんでも読みやすいと思います。
出版社からのお薦めの年齢は5歳くらいから小学校低学年向き。だそうで、私もそのくらいの年齢に向いていると思いました。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子15歳、女の子11歳)
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