エイズが猛威をふるうアフリカ・マラウイ。13歳の少女ビンティは、町ではちょっとした有名人。有名私立校に通いながら、ラジオドラマに声優として出演しているのだ。ある日、ビンティの父親がエイズで亡くなった。そのとたん境遇は一変。兄妹はバラバラになってしまう。親戚から冷遇された末に行き着いた先は、祖母の作ったエイズ孤児の家だった。急激な環境の変化に戸惑いながらも、たくましく生きるビンティ。彼女はやがて、思いやりとやさしさを身につけ、真に生きる意味を見つける。
今年は私にとってYA元年ということで、
鈴木出版の「この地球を生きる子どもたち」も何冊か読みました。
10歳の少女が主人公なのですが、置かれている状況が、私の想像の範囲を超えていました。
HIVやエイズへの偏見、治療薬が足りないことから、親である世代がどんどんと亡くなり、
低年齢でも働くことを余儀なくされていく子どもたちがいること、また落ちていく先は犯罪であったり、買春であったりするわけです。
ただ、救いはその子どもたちが現実をしっかりと見据えて、今自分ができることをして生きていることでした。
親としては正直なところ、この本をいつ息子と読んだらいいのかと戸惑いました。
先に、私と夫と読みましたが、先に親が今の子どもの文学では何が出版されているのかを知っておくことは悪くないことだと思いました。
重い内容ではあるけれど、最後には希望も見える。
海外ものを読むたびに、日本の子どもたちと比べて読んでしまいますが、
子どもの環境が少しでもよくなることを親としては願うばかりです。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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