ぼくとの約束、忘れないで… 猫のよもは、ゆうじさんとの釣りをたのしみにしていました。 ところが、忙しいゆうじさんは戻ってきません。やがてピアノが消え、ベッドが消え、ついには…
成田雅子さんの「もうひとりのアドロ」が好きなので、同じ作者のこの本はどうかな、と借りてきました。
やっぱりね。「アドロ」と同じく、胸の奥底のちょっと痛い所をついてきました。
ネコの「よも」とゆうじさんは仲良し。ゆうじさんの仕事が忙しくなるまでは。ある時から、家の中のものが一つずつ無くなっていきました。コート、テーブル、ベッド。ついには家さえも。「よも」は自分の姿さえも消えてしまうのではないかと「胸がぎゅーっ」となるのです。
「忙しい」という字は、「心が亡くなる」と書きます。まさにそれを言いたいんだろうな。気にかけなくなると、その人の心の中から消えてしまうのでしょう。たとえ実体があっても。
忙しい人たち、自分を見失ってはいけません。大事な人さえも見えなくなってしまいます…そんなメッセージが伝わってきました。
せかせかした毎日を送る人たち(私もそうかもしれない)ご注意を!
(星モグラサンジさん 30代・その他の方 男の子11歳、男の子9歳)
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