「火、ぼうぼう!」と書くと、ちょっとインパクトのありすぎるイメージになってしまいますが、火というものは、子どもにとって、身近にある「自然」のひとつ。 危険に扱えば大変なことになってしまいますが、大切に扱えばこんなに神秘的で魅力的な素材はありません。 「火」そのものを絵本にしてしまう・・・こんな試みはなかなかなかったのではないでしょうか。 小さくぽっ!と生まれて、風に吹かれたり、大きく小さく形が揺らいだり。 暖かさを感じたり、音を楽しんだり。 実際の火にはなかなか近づけないけれど、火の魅力を絵本を通じて体感できるかのようです。 色々な表情をする顔があったり、「ぽっ」「ふっくら」「ゆらーり」などシンプルだけど感覚に訴える言葉を使うことで、子ども達にも親しみのわく、唯一無二の「火のえほん」となっているのではないでしょうか。 同じく水の魅力を体感できる『みず ちゃぽん』も同時発売です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
火がうまれたよ…ぽっ! 風にゆられて、ほわ?ほわわ?! まわりにも 火がうまれて…大きな大きな火になった!
子どもにとっても身近な自然である「火」がこの絵本の主人公です。 子どもは火に興味津々。火の側に寄ったら「あついなあ」や、キャンプファイヤーで「たき火って(動いて、形がどんどん変わって)不思議だね」 と実感する、おそらくそんな経験をしていることでしょう。 子どもには実際なかなか近づけない火ですが、絵本を通じてその暖かさや 炎のゆれを想像し、音とともに楽しめる1冊です。五感で楽しむ新感覚絵本。
火の特徴をシンプルに表す絵本。
火がだんだん大きくなり、消えるさまを描いている。
本の地の色が黒(火を目立たせるため)、火の赤、文字の白、という3色しか使われていない。
縦に見開きとなり余白もうまく使われ、火が小さいときから大きくなるときの迫力がある。
「ぽっ!」とか「ほわわー」とか、火の表現もかわいい。
伝えたいものがはっきり伝わってくるので、私個人的には結構好み。
息子もまあまあ好きなようだが、まだ「火」というものがわかっていないようだ。
そうなると、やはり大好きな乗り物よりは食いつきが欠ける。
それが残念。
これで、「火」をわかってくれたらいいなあ。 (トゥリーハウスさん 30代・ママ 男の子1歳)
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