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かれはのしょうじょは、ふゆのうまをやさしくなでてやりました。 さあ、ゆきましょう、たかいたかい、そらのなかに・・
秋の終わりをつげる枯れ葉の少女が、冬を呼ぶこうまと踊ると強い風が吹きぬけます。 冬のこうまは大きくなり、少女を乗せて森中をかけぬけるとあたり一面に冬の世界がひろがり、 空いっぱいにすきとおった冬の音がひびきわたりました。 冬がやってきたのです。枯れ葉の少女と冬のこうまが描き出す美しい幻想物語。
圧巻でした! 本当に幻想的な絵本なのですが、冬ってこんな風に訪れ
るのかもしれないなと、とても共感しました。版画なのでしょうか?
どのページも実に素敵です。そして、文と絵がとてもマッチしています。
秋から冬に変わった空気のピンとした緊張感、そしてひんやりした冷た
さがとても伝わってきます。
“かれはのおんなのこ”の衣装もとても素敵です。でも、何よりも、
きいーんとこおれ ふゆのそら、きりきりひらけ、しろいはな
ごごーっとはばたけ ふゆのとり、
どどーっとかけろ ふゆのしか
このそれぞれの言葉の後に、空に咲いた白い花、空を羽ばたく冬の鳥、
空をかけまわる冬のシカ、そして怖い怖い白いフクロウのページが息を
のむほどの圧巻です。
かれはのおんなのこは春まで雪の下でねむるとのこと。春にはどんな衣
装で出てくるのだろう? この話の春の訪れを是非、読みたい!と思い
ました。
作者の手島圭三郎さんは北海道出身だとのこと。だからこんな素敵な冬
の話がかけるんだろうなと思いました。とてもお薦めです。是非、是非、
読んでみてください。 (汐見台3丁目さん 40代・ママ 男の子6歳)
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