第二次大戦中のリトアニア。ソ連の秘密警察に捕まり、シベリアの強制労働収容所へ送られたリナは、いつか自由になれる日を信じて、絵を描きためていく…。人間の真の強さを描いた話題作。
子どものころ、誕生日か何かで買ってもらった地球儀を見るのだ大好きでした。あの頃ロシア連邦はまだ「ソビエト共和国連邦」でした。
そして、この本に描かれていたバルト三国は、ソ連の国として表記されていました。
当時の私は「ソ連って大きいな」とか、「なんでこの辺り(バルト三国)の地図は国境の線が載ってるんだろう。1つの国なのに」と、思っていたのを覚えています。
この本は、スターリンが
独裁政治を行っていた1940年代、自由を奪われていたバルト三国の内の一国リトアニアの少女に起きた出来事を描いた作品でした。
冷たく寒い風景、狭くて臭い貨車の中での出来事、極寒の地で、食べられるものはすべて食べ、使えるものはすべて使って、生きていこう。故郷に帰ろう。としていた彼女たちの生きざまが、強く心に残りました。
厳しい強制労働収容所での生活をとてもリアルに伝えてくれていました。
今まで日本人が知らなかった第二次世界大戦中のヨーロッパで起きた出来事を知ることが出来ます。
私は疲れていたにもかかわらず、この本を読みだしたら止まらなくなり、1日で読破してしまいました。
最初から最後まで、勢いのある作品で、
人間とは、生きるとは何か考えさせられる物語です。
ぜひ手に取って読んでいただきたい1冊です。
中高生の皆さん、お薦めです。いかがですか。
(てんぐざるさん 50代・ママ 女の子22歳、女の子17歳)
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