ツソはアフリカのタンザニアにすむ小さな男の子。おにいちゃんといっしょに、キリマンジャロという高い山のふもとの村の、おばさんの家でくらしていますが、食べ物は少ししかもらえません。 あるばん、ツソはお兄ちゃんと、夜中に家をにげだしました。たどりついたのは、村からいちばん近い、バスターミナルのある町。ここからバスに乗って、もっと大きな町に行こうと思ったのです。 ところが、翌日出るバスをいっしょに待っていたはずのお兄ちゃんとはぐれてしまったツソ、道ばたでくらすようになりました。数年後、町で〈シスター〉と出会ったツソは、寄宿舎に入ることになり…? 路上でくらす男の子がふたたびふるさとをたずねるまでを、やさしい語り口でえがきます。さし絵多数の、実話にもとづく物語。
小学校中学年以上の子に勧めたくて読んでみました。
事実をもとに書いた本なので、物語風なノンフィクションです。
この本を読むと、世界にはお金がないために、子供が働かかざるを得ないケースがまだまだあることに気づかされます。
ノンフィクションというと、筆者がモデルになっている人のことを語っているイメージがありますが、この本の場合は、物語の作りになっているので、読者は物語として読めると思います。また、ツソ(主人公)になって物語の世界を旅することができるところが楽しいです。
といっても、楽しい内容ではないのですが、ツソの人生が大きく変わるところが、とても読み応えがあります。
日本の子供は学校へ通って勉強することが当たり前なので、そのありがたみがわからないかもしれませんが、この本を読むと、教育を受けることで、将来の選択肢がぐっと広がることに気づかされます。
事実に基づいた物語ですが、物語としても楽しめます。読んだ後の満足感もひとしおです。物語が好きな子も、ノンフィクション好きな子も楽しめます。 (MAYUCLUBさん 40代・ママ 男の子11歳、女の子6歳)
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