夜になりました。 「もう ねるじかんですよ、トンコちゃん」 だけど、トンコちゃんはちっとも眠くありません。まだまだ遊んでいたいのです。 「また、あしたね」 おかあさんは、部屋の電気をパチンと消していってしまいました。 部屋の中が暗くなっても、まだ寝たくないトンコちゃん。ベッドからそうっとぬけだしたその時。
窓のすきまから、ふわふわしたものが飛んできましたよ! いったいなんでしょう。 その白くてふわふわしたものを、えいっとジャンプしてつかまえると、白い布みたい。トンコちゃんはクレヨンでお絵かきをはじめました。 あっという間に素敵な模様でいっぱいになったその布を、頭からかぶると・・・トンコちゃんのからだが宙に浮いたのです・・・!!
いいな、いいな、トンコちゃん。 トンコちゃんが夜空へ飛び出し行き着いた先は、なんとおばけがいっぱいいる雲の上なのでした。
夜になってもまだまだ遊びたい、そんな女の子が繰り広げる楽しい世界は、天真爛漫、自由そのもの。おまけにおばけたちまで楽しませちゃうなんて、トンコちゃんは素敵な子です。 「白い布」?それとも「おばけのドレス」?次はどんな子のおうちをおとずれるのでしょうね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
夜になっても、まだまだ遊び足りないトンコちゃん。おかあさんにお絵かきや歌をお願いしても相手にしてくれず電気を消されてしまいました。まだ寝たくないトンコちゃんがベッドから抜け出した時、ふわふわとあなのあいた布が窓の外から飛んできました。その布にクレヨンでお絵かきして頭からかぶると、トンコちゃんのからだが宙に浮いちゃった! そのまま外に飛び出したトンコちゃんがたどり着いたのは、たくさんのおばけがいる雲の上。そこでトンコちゃんは…
「おつきさまが そらにのぼって よるになりました
・・・・だけど トンコちゃんは、ちっとも ねむたくありません」
冒頭の文章を読んで、ふんわりと懐かしい気持ちになりました。
まるでお母さんが、即興の物語を子どもに聞かせているような・・・。
とても素直に、耳に入ってくる文章です。
奇をてらっていない、というのでしょうか。
そこに温かさと安らぎを感じます。
絵も、優しくてきれい。
特に、トンコちゃんが夜空を飛ぶ姿が、とっても素敵です。
そしてその次のページは・・・
ぱあっと楽しい気持ちになります!
幼い頃に読んだなら、
「子どもの頃にお気に入りだった絵本」として、
ずっと心に残りそうです。 (なーお00さん 20代・その他の方 )
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