女優の室井滋さんと絵本作家の長谷川義史さんがタッグを組んだ絵本も、もう何冊になるのでしょう。
ところが、今回はどうも長谷川さんらしからない絵のタッチ。まあパンチはあるのだけれど、どうもおしゃれ。
よくみると、絵は「長谷川義史&むろいしげる」とある。
どのあたりが長谷川さんで、どの辺がむろいさんなのかわからないが、きっとお二人わいわいがやがや、描いたにちがいない。
だって、今回の話、結構シーンとなるんだけれど、まるでフランス映画を観ているようなんだもの。
タイトルにある「毛玉ちゃん」というのは、すっかり年をとった体じゅう毛玉いっぱいのおじいちゃんネコ。
最近飼ってもらっている家の人からほめられないので、隣のミーコと家出をすることになった。
ミーコというのもおばあちゃんネコで、ミーコは子ネコを9匹も生んでおっぱいもだらーんとなってブラジャーをはめさせられていたりする。
その二匹のネコが迷い込んだのが、年をとったおばあさんのところ。(毛玉ちゃんたちとおばあさんがベッドで抱き合っている絵は本当に素敵です。この絵を見ているだけで、生きててよかったみたいな、いのちの尊さを感じます)
やさしくしてくれるおばあさんのために、二匹のネコは暖かいかぼちゃのスープを飲ませてあげようとします。
そして・・・。
最後のページを閉じた瞬間、また最初から読みたくなる、これはそんな絵本。
このコンビの絵もまた見たいと思います。