気持ちが後を引く作品です。
「カッパのぬけがら」と言うタイトルが面白そうだったのと
絵が可愛かったので娘と一緒に読むことにしました。
読み始めるとカッパの網にゲンタと言う男の子が引っ張られて
水の中に連れて行かれます。
あれっ?思ったより怖いのかなと思うと
カッパは一人になってしまったことを可愛く嘆きます。
その後ゲンタがカッパに何かできることはない?と聞くと
しめしめとばかりの顔でカッパの抜け殻を着ることを進めます。
昔のカッパの怖い部分のイメージがちょろっと出てきたり
隠れたり、ぬけがらを着ると人間に戻れなくなってしまうのでは?
と少しハラハラしました。怖がりの子供はどう思うだろうと
思いましたが、素直に作品を楽しんでいたようです。
最後まで読んでみるとカッパはゲンタととても仲良しになり
又夏になって一緒にカッパとしての日々を過ごす事を楽しみに
ゲンタを人間の世界に戻してあげます。最後は、カッパが
一人になってしまってこちらも淋しい気持ちになりました。
水の中の描写が、墨流しを用いたような素敵な装丁で
水の中をより神秘的に見せていてカッパという存在の
ミステリアスな部分とうまくマッチしていた気がしました。