いつも使っている子供の本を中心に置いている図書館に目につくようにおいてあり、宮部みゆきの名が表紙に書いてあったので気になり手に取りました。
表紙画とタイトルから察して子供に読ませる前に自分で読んでみることにしました。
結果をいうと、「子供に読ませたい要素が何もない」でした。
はじめから最後まで続く不気味なフランス人形やぬいぐるみの絵に、「あなたはいつか誰かを消したくなる」や「いつかかならず私(悪い本)を手にとりたくなる」みたいなことが書いてあり、とても無邪気な子供に読んで聞かせたいものではありません。
教訓的なもので、最後には納得したり前向きな気持ちになれるのかと思いきや、読み終わってもどんよりした感じのままになりました。
でも宮部みゆきさんが書いたことを考えると、人の暗い部分を遠慮せずに書く宮部ワールドがしっかりとあると言えると思います。私自身、宮部みゆき著の小説は気に入っているものもあるので、この絵本も子供向けというより大人向けとしてとらえればいいのかもしれないのかなと思います。
5歳と8歳の子を持ついち親としての意見を言わせてもらえれば絵本には子供達の無邪気な心や夢を膨らませる役割をはたしてもらいたいと思っているので、この本の言う通り子供たちもいつかは「悪い本」に手を伸ばしてしまう状況に出会うかもしれないとしても、わざわざそれを絵本で子供達に刷り込みたくはないなと思いました。