ラブレター。
初恋。
ボーイフレンド。
すれ違い。
ときめき。
「ラブレター」という言葉にはそんなくすぐったさがいっぱい詰まっていて、この本はそんなくすぐったさいっぱいの短編集です。
転校生。
からかい。
ライバル。
勇気。
なんだか、読んでいて恥ずかしくなるようなシチュエーション。
いくつものシチュエーションは、思春期の青い恋心の処方箋のようにも思えました。
でも、子どもとラブレターの話が続くと思って最後の話を読んで、頭をたたかれたように思えました。
ラブレターのときめきは、子どもだけではないのです。
3人の子どもを残して死んでしまった父が母に残したラブレター。
母親の宝物であり、支えであり、エネルギーであり、いつまでも母親を乙女でいさせてくれるもの。
感動して、涙ぐんでしまったのです。
考えると、この話はフィクションなのですよね。
ラブレターの文章。
文章にこめられた思い。
ここまで心ゆすぶる手紙を書くなんて、丘さん、ずるいぞ。
ラブレター。
文章。
直筆だから、思いも行動もアナログなのでしょうか。