2017年、「西ブロック」。理想都市「NO.6」を追われ、逃亡中の身となった16歳の紫苑。はじめて目にする外の世界、そして現実。ネズミと暮らし始め、紫苑は少しずつ西ブロックで生きていくための術を知っていきます。
実は、あさのあつこさんの作品を読むのはこのシリーズが初めてなのですが、YA(ヤングアダルト)向けのシリーズ作品なだけあって、かなり読みやすいです。天然な(純粋な?)心を持った紫苑と冷淡な中にも時折見せる優しさを持つネズミ。考え方・感じ方、あらゆることが対極しているかのような2人の共同生活ですが、2人ともどこかでお互いに惹かれあっている、そんな印象を受けました。
NO.6へ残してきた母・火藍(からん)のことが気になる紫苑。その火藍とは水面下で手紙のやり取りが行われるようになるのですが、その手紙を通じて、ある出来事が知らされます。果たしてこのことを紫苑にも知らせるべきか?
西ブロックの過酷な生活ぶりが描かれているので、そこがどんな場所なのかおぼろげにイメージできるのですが、NO.6のおこぼれで生活が成り立っている廃墟・スラム街であることは間違いないようです。紫苑にとっては新たな人物との出会いがあったり、仕事も得るなど西ブロックでの生活に馴染んでいくにつれ、少しずつ意識が変わりつつある紫苑の様子が見られます。そしてネズミもまた然り。。。
とにかく続きが気になる展開が続きます!次巻も楽しみに読んでいきたいと思います。