700年前に、ドイツのハーメルンに起きた130人もの子どもたちの失踪を題材に語り継がれてきた伝説の「ハーメルンの笛吹き」。
ドイツの児童文学者バルトスヘプナーの再話を短縮した作品だそうです。
「ハーメルンの笛吹き」は、テーマは同じでありながら、ストーリーがまちまちです。
この作品については、事件性について詳細に描きながら、笛吹きの怪しさを感じました。
自らネズミ退治を買って出た、ハンス=ブンティング。
良い人なのか悪い人なのか、ネズミ騒動の中にあって存在感が他の作品より強いのです。
ネズミを退治して、報酬を受け取れないとわかると、黙って立ち去った笛吹きは、再び町に現れます。
今度は別の目的を持って。
そして、子どもたちの失踪。
何年か経って二人の子どもが戻ります。
でも詳細は分からない。
なんだか、笛吹きが不気味に感じますが、本当は何をしたかったのでしょうか。
地味な作品ですが、不気味な余韻は、焦点を笛吹きに当てているからでしょうか。