本文に入るとすぐに「サクラ」の名前の由来について書かれています。
けれどもそれが、小難しい文章で解説されているのではなくて、「木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤヒメ)」の美しい姿とともにみやびやかに説明してくれているので、がぜん、この本の内容に興味がわきました。
全体の作りは「サクラ」オンリーの写真絵本…というより図鑑で、
もしかしたら、小学生高学年くらいの調べ学習を意識して作られた作品かもしれません。
ただ、これまで読んできた調べ学習系のシリーズに比べ、
サクラにちなんだ和歌が紹介されていたり、その葉、芽や実(さくらんぼ)を含め、その実を運んだり、サクラに集まる生きものたちの紹介など、サクラという植物を多角的に魅せてくれています。
写真もたくさん使われていますが、
森谷明子さんのイラストが細かい描写に優しい色合いでとても見やすくわかりやすくて目を惹きました。
ここに書かれていて初めてきちんと知りましたが、
日本のサクラは野生種で10種類、栽培品種は「染井吉野」を含め100種類以上あるそうです。
こんなにもいろんな種類を作ってしまう日本人は、昔からサクラが好きなのですね〜。