佐野先生の訃報を聞き、この作品を借りてきました。
お父さんとのお話の時間と言うのは素敵ですね。
4〜5歳くらいの男の子でしょうか。
丁度語彙も増え、お父さんとしては息子との会話も楽しい時期でね。
日常の父子の会話の形で、息子がお父さんにお話をせがむところから始まります。
“むかしむかし”で始まるお話も“あるところに”っていう話し初めにも飽きている息子の男の子。
ありきたりじゃないお話をお父さんにせがみます。
このお父さんは、なかなかのストーリーテラーです。
お話は全部で5話。
男の子がお父さんに語るお話(「毛のはなし」)もあります。
5話中3話の初出は他の雑誌に掲載されたものだそうです。
佐野先生ならではの思わず吹き出してしまう子どもに似合わぬおませな台詞や、子どものくるくる変わる発想や、忙しく想像の世界とこちらの世界を行き来する思いつきに、微笑ましさが伝わってきます。
佐野先生の子育ても、きっとこうだったのでしょうね。
この作品は、1話ずつでもお父さんに読んで欲しいなと思います。
あっ、でも読後お子さんたちにマイパパのお話をせがまりたりして・・・。